希土類磁石の基礎 / 希土類とは

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希土類とは

レアアース(希土類)とは?

レアアース(希土類)と呼ばれる金属元素は、今から約 200年程前の1794年にフィンランドのJ.Gadolinによって発見されました。彼はスウェーデンで採取された鉱物の中からイットリア(Y2O3)を発見し、その希少性から希(まれ)な土類(アルミナや石灰等を示す)を意味する希土類という名前を付けました。

しかし、実際にはレアアースは希な元素ではなく、地球上でのセリウム(Ce)の存在量はスズ(Sn)よりも多く、イットリウム(Y)やネオジウム(Nd)は、コバルト(Co)や鉛(Pb)より多いことがわかっています。

火成岩1t中に含まれる元素の存在量

火成岩1t中に含まれる元素の存在量


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フェライト磁石と希土類磁石

フェライト磁石と希土磁石の最大の違いは、その磁気特性の大きさにあります。希土類磁石はフェライト磁石と比べてはるかに強力な磁石です。

永久磁石の性能を決める要素として、磁化の大きさと保磁力が有ります。希土類磁石は、酸素を含まない状態でFe、Coを含有するので磁化が大きく、さらにレア・アース元素によって磁化を一方向に揃える力(保磁力)が強いため、フェライトに比べてはるかに強力な磁石となっているのです。

最大エネルギー積でフェライト磁石の約10倍の性能をもつことから、これまで考えられなかったような強力な磁気回路、あるいは省エネルギー、省スペースの磁気回路等に、希土類磁石は使用されています。

磁石の種類

磁石の種類


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信越レアアース・マグネットについて

N Series Nシリーズ 比類なき高特性

高特性レア・アースマグネットの中でも最高峰に位置するのが、ネオジウム(Nd )、鉄(Fe)、ボロン(B)を主成分とする信越ネオジウム磁石Nシリーズです。従来のサマリウム(Sm)系磁石の磁気特性を大幅に向上させながら、しかもその原料は、レア・アース元素の中で比較的資源が豊富なNdとFeが主体となっていて、低価格です。性能とコストを両立させた希土類磁石の代表製品として、その応用範囲は益々拡大しています。

弱点とされた耐食性もNiメッキを始めとする各種表面処理によって改善、あらゆる用途で最高のパフォーマンスを発揮する比類なき高性能磁石です。

Nd磁石の基本組成

Nd磁石の基本組成


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R Series Rシリーズ 優れた耐熱性

信越サマリウム(Sm)磁石Rシリーズは、Nd磁石と比較して温度特性が良好です。高温で逆磁界にさらされるような厳しい環境においても、高い磁気特性と優れた信頼性を発揮します。保磁力の温度変化が小さく、キュリー温度が高いという他の磁石では得難い優れた性質を持っています。

信越化学のSm磁石Rシリーズは、高特性、高エネルギー積を有することも大きな特徴です。従来のSmCo5型結晶構造ではなくSm2Co17型の新しい型の化合物を採用し、さらに合金の金属組織を綿密にコントロールした成果であります。なかでもR33Hシリーズの実現したエネルギー積は、Nd磁石にも比肩する高特性であり、まさに世界最強のSm磁石であると言えます。

Sm磁石の基本組成

Sm磁石の基本組成


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