応用製品 / 大型磁気回路

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大型磁気回路

1.ダイポールリング磁気回路

ダイポールリング磁気回路は、特定方向に均一な強磁場を発生させるために用いられます。発生磁界は磁気回路の内径側径方向で、内径側空間での磁場均一性は3~6%以内、磁場の指向性を表すスキュー角はわずか1.0°以下です。ダイポールリング磁気回路は現在、HDDヘッドやMRAMなどの熱処理工程における磁場発生源として使われています。

強磁場DRM磁気回路

強磁場DRM磁気回路

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DRM製作風景

DRM製作風景

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2.6極磁石

6極磁石は、内径空間に6極(NS)磁界を発生させる大型磁気回路で、主にイオン源に利用されています。

イオン源とは中性原子から多価イオンを発生させるため装置で、代表的なものとして電子サイクロン共鳴(ElectricCyclotronResonance)を利用したECRイオン源が挙げられます。多価イオンは非常に強い電子親和力を有しているため、ターゲット物質(病巣がん、半導体基板等)に照射すると、物質の構造変化を引き起こすと考えられています。

6極磁石の構造は複雑で、24~36個の扁平な磁石セグメントを周状に構成しているため、回路製作には非常に高い技術を要します。6極磁石は、高周波電源と、ミラー磁場発生装置と呼ばれるソレノイドコイル型電磁石とを組み合わせて使用する場合が一般的でしたが、近年は、軽量化のためにミラー磁場発生源も永久磁石に置き換えた製品が主流となりつつあります。

ミラー磁場回路を含めると、回路重量は最大で300kg以上にもなります。信越化学が世界に先駆けて製造に成功した6極磁石は、医療、基礎研究、そして最近では半導体向けの磁場発生源として利用されています。

イオン源

イオン源

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3.MRI磁気回路

MRI磁気回路は、巨大なヨーク部と、1トン以上の磁石、そして均一性磁界を得るための整磁板から構成されており、総重量が10トン以上にも上る巨大な磁気回路です。磁気回路のギャップ空間内の磁場均一性は、φ400mm×350mmの楕円均一空間内で25ppm以下になります。傾斜磁場コイルから発生する磁界の残留磁化は3ppm以下で、同時に観測される渦電流も極めて微量です。

信越化学では今までに500台以上のMRI磁気回路を量産し、世界中の医療現場で撮像診断分野に貢献しています。

MRI用磁気回路

MRI用磁気回路

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