磁気回路解析 / 分割磁石による渦電流低減
渦電流対策として磁石を分割することが有効です。分割磁石について更に調べてみました。図(a) のように6分割したものとしないもので渦電流損失を比較しました。 試料は、銅C1020、アルミA7075、ステンレスSUS304、磁石N36UHの4通りで、大きさは50x50x10mm、交番磁界の強さは±12.3kA/m(±154Oe)、周波数2000Hzです。
図(b)は磁石分割の有無と渦電流損失の関係を示したものです。比抵抗の小さい銅やアルミでは、分割した場合のほうが損失が大きくなっています。これは渦電流の表皮効果によるもので、試料が大きかったり、周波数が高い場合には、分割によって渦電流損失が増える場合があります。
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図(c)は、6分割された試料を絶縁なしで接触させ、渦電流損失を測定したものです。層間を完全絶縁したものと比較しました。どの材質においても層間絶縁によらず、分割の効果が得られることが分かりました。分割磁石を製作する際に、塗装などで層間を完全に絶縁する工程は不要です。
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