磁気回路解析 / IPMモータ解析
磁石埋め込み型モータ、いわゆるIPMモータに希土類磁石を応用した解析例について紹介します。解析対象となるモータ構造を図(a)に示します。解析には積分要素法を用い、ステータに5Aの電流を流した場合のモータトルクを計算しました。解析結果と実測トルクの比較を図(b)に示します。図から判る通り、解析値と実測値は良く一致しています。
図をクリックすると、拡大図が表示されます。
- 参考文献
- K. Miyata and K. Ohashi, “Motor Simulation on IPM Motor", 16th International Workshop on Rare-Earth Magnets and their Applications, pp1031-1037 (2000)
IPMモータにおいても、コギングトルクやトルクリップルの低減は重要な検討テーマです。コギングトルクやトルクリップル対策として、ロータスキューを行った場合の効果について解析を行いました。
図(a)はスキューの無い構造、図(b)は7.5度のロータスキューを行った構造を示します。電流値を5A、電流の進み位相角を30度として、スキュー有り無しの場合で、トルクリップルとコギングトルクを計算しました。結果を下図に示します。
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図(a)のスキューの無い構造の場合、トルクリップルは平均駆動トルクの35%程度とかなり大きく、コギングトルクも駆動トルクの7%にもなっています。
一方、図(b)のロータスキューを行った場合は、トルクリップル及びコギングトルクは60%以上低減します。また、平均トルクの減少率は僅か1%程度であり、ロータスキューがトルクリップルとコギングトルクの低減に極めて有効であることが、解析によって示されました。
- 参考文献
- K. Miyata and K. Ohashi, “Motor Simulation on IPM Motor", 16th International Workshop on Rare-Earth Magnets and their Applications, pp1031-1037 (2000)