磁気回路解析 / プラズマ用磁気回路
マグネトロンプラズマを利用したスパッタ装置では、基板に形成される薄膜の均一性向上・ターゲット材の多品種化・ターゲット寿命の延命化に対応するために、最適な磁場を形成することが求められています。そのために、磁場および電場による電子軌道の様子をシミュレーションし、磁気回路設計を行う必要があります。
図(a)はスパッタ装置の断面図です。ターゲット上の磁場が水平になるように磁気回路が配置されます。図(b)は磁気回路上の電子軌道を示したもので、電子はサイクロトロン半径で円運動しながら周回運動しています。磁気回路から遠くなるほど磁場強度が弱まりますので、ターゲットから離れた上部でサイクロトロン半径が大きくなっている様子が分かります。一方、周回軌道の半径は磁場が水平になる位置に対応しています。
図(c)は電子軌道の時間変化を示したものです。ターゲット上にあった電子は、電場および磁場に対して垂直な方向にドリフト運動し、最終的に磁場が水平になっている位置で周回軌道を描きます。従ってこの周回軌道上で最もターゲットのエロージョンが進むと予想されます。
図をクリックすると、拡大図が表示されます。