粒界拡散合金法に関するお知らせ

特許について

信越化学工業は、粒界拡散合金法※1について、物質及び製造方法に関する特許を世界各国で多数保有しております。
数多くの保有特許の中で、特に代表的な特許※2に関して、下記に特徴をご案内申し上げます。

特許内容特徴

  1. 希土類焼結磁石体内に、F(フッ素)の存在が認められる。
  2. F(フッ素)は、磁石体の中心より磁石体表面に向かって、含有濃度が濃くなる様に分布している。
信越化学工業は、上記粒界拡散合金法に関連する特許に関し、いかなる第三者に対しても、使用許可を与えておりません。
※1.粒界拡散合金法とは
少量の重希土類(Tb、Dyなど)を、適正な位置に配置する事で飛躍的に保磁力(Hcj)を増大させる技術。
信越化学工業ではその技術を"粒界拡散合金法”と呼んでいます。
※2.特許登録番号(一部)
日本:4702546 / 4702547 / 4702548 / 4702549
中国:ZL200610009370.7 / ZL200610019898.2 / ZL200610019899.7 / ZL200610009371.1
米国:7488393 / 7488395 / 7520941 / 7488394
EP:1705671 / 1705670 / 1705668 / 1705669
お問い合わせ 上記特許の、更に詳しい情報に関しましては、下記に問い合わせ願います。

信越化学工業(株)磁性材料事業部マグネット部 TEL: 03-3246-5215

お断り
上記の情報は、皆様の参考に供する目的で記載されております。
上記の情報に起因して皆様が万一損害を被られてとしても、信越化学工業株式会社は一切その責任は負いかねますので、皆様ご自身の責任でご判断、行動して頂きます様お願い申し上げます。

以上

技術について

2007.03.28
信越化学の新技術である粒界拡散合金法は、重希土類を粒界近傍に集中配置させることで、従来の二合金法に比べ保磁力の更なる向上、飽和磁化低下の低減を実現しました。ここでは、この新技術の解説をします。
Nd-Fe-B磁石の磁化曲線と磁壁移動の関係から、保磁力機構に注目します。
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このように、Nd-Fe-B焼結磁石の保磁力は逆磁区の核生成磁場により決定されます。結晶磁気異方性を増大させ逆磁区の生成を抑制することで、より大きな保磁力が得られます。結晶内のNdを結晶磁気異方性が大きくなるDyやTbといった重希土類で置換することで保磁力を増大させることができます。しかし、右図のように置換量が増えると保磁力は増大する一方で、残留磁束密度が低下してしまいます。
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そこで、従来の二合金法では、重希土類を含まない化学量論組成に近い組成の母合金と、重希土類を添加した焼結助剤合金という融点の異なる二つの合金を混合し焼結することで、結晶磁気異方性を増大させるDy等の重希土類を粒界近傍に選択的に配置させました。これにより残留磁束密度の低下を抑えながら保磁力を増大させ、重希土類元素の効果的な利用を実現しています。
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そしてさらに、信越化学が開発した粒界拡散合金法では、Dy等の重希土類を従来の二合金法よりもさらに粒界近傍に集中配置することで、効率的に保磁力を増大させるとともに、残留磁束密度低下の抑制を実現しました。
従来の二合金法では高温の熱処理である焼結工程の段階でDyを拡散させるため、必要量よりも多くのDyが粒界近傍に拡散する現象が見られました。そこで粒界拡散合金法では、焼結後に希土類化合物を塗布した後、焼結温度よりも低い温度で熱処理(拡散処理)することでDyの拡散を必要な量に制御し、効率的なDyの利用が可能になりました。
イメージ図
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実際の金属組織写真での比較
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また、磁気特性では下記の減磁曲線からわかるように粒界拡散合金法は従来二合金法と比較して、磁化が低下することなく約30%の保磁力増大を実現しています。
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当社は、粒界拡散合金法で、さらなる高特性グレードの実現を可能にします。
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